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2026.09.10

狸の一歩 | 札幌市中央区 | Vol.6
蒼氓茶寮

How long have we been living in this town? We’ve found more favorite spots, and more friends we see all the time. But sometimes, having too many “usuals” can make our world feel smaller. Let’s try a place we’ve never been. Let’s talk to someone we’ve never met. Not somewhere far away just one step beyond the streets we know. About 150 years ago, people came here and started a treasure hunt. Let’s begin the next chapter together.

狸小路1丁目に面したビルの2階。
階段を上った先にあるのは、セレクトショップ「蒼氓」に併設された
日本茶専門店「蒼氓茶寮(そうぼうさりょう)」。

抹茶や煎茶を一服、なんて聞くと少し背筋が伸びるけれど
ここで待っているのはもっと自由なお茶の楽しみ方。
ドリンクはもちろん、お茶を使った多彩なスイーツが自慢のお店だ。

洋服を見に来た人へ
一杯のお茶から。

はじまりは、2017年にオープンした
日本のブランドだけを集めた新品のセレクトショップ。

もともとファッション関係の仕事に就いていた店主の阿部さんは、
「日本でつくられたファッションを届けたい」という思いから
国内ブランドをセレクトしていた。

コロナ前は海外から訪れるお客さんも多く、
その頃から、店内のカウンターでは
洋服を見に来た人へお茶を振る舞っていたそう。

店主自身、お茶は好きだったものの
茶道を習っていたわけでも、専門的な知識があったわけでもないという。
だからこそ考えたのは、もっと気軽な日本茶のあり方。

コーヒー文化がすでに根付いていた札幌で
「日本らしいものを、もっと日常的に楽しんでもらえたら」と
日本茶に着目したんだって。

コロナ禍を経て少しずつお茶を主役にした店へと変化し、
約3年前から本格的に始動。
今年に入って、現在の「蒼氓茶寮」のスタイルになったんだって!

お茶に特化した
こだわりのスイーツ

プライベートで初めて来たとき、お茶の味を生かした絶品に驚いた。
聞けば、阿部さんはスイーツづくりを独学で研究したそう。

もともと洋服づくりに携わっていた経験から、
材料を選び、バランスを考え、一つのものへ組み立てていく工程は
どこか服づくりにも似ていたのだとか。

今回オーダーしたのは
「和紅茶のプリン」アイス乗せ(900円 ※価格変更の可能性あり)。
ベースはキャラメル、ホワイトチョコ、そして和紅茶。
和紅茶は抽出液ではなく、より濃度を出せる粉末を使用するこだわり。
「粉末にする」ことにとにかく苦戦をしたそうで、
だからこそお茶の濃さをしっかりと感じる一品になっている。

ほかにも、黒胡麻に玄米と煎茶をブレンドしたプリンなど、
単純にお茶味にするのではなく、
異なる素材との組み合わせから新しい味を生み出している。

何度も試作したどりついた
究極の抹茶ラテ

プリンと合わせていただいたのは「抹茶ラテ」(850円 ※価格変更の可能性あり)。
使うのは、京都・宇治と福岡・八女、2つの産地の抹茶。
それぞれをブレンドしたうえで、北海道で熟成させている。

色と味、どちらもいいところへ着地するように、
季節によって配合のバランスまで変えるというから驚き。

さらに牛乳も何十種類と試し、たどり着いたのが赤井川の山中牛乳。
低温殺菌牛乳ならではのさっぱりとした味わいで、
ミルクが前に出すぎず、お茶の存在感を残してくれるのだそう。

90分の席時間を最後まで楽しめるよう、ドリンクは少し濃いめに。
どこまでもお客様目線の設計に、終始圧倒されていたボクら。

お茶の香りをしっかり感じてもらうために
あえてワイングラスで提供しているという話を聞いた時には
思わずカメラマンと顔を見合わせて拍手(笑)

洋服からお茶へ。
変わっても残っているもの。

現在は大学生をはじめ若い世代のお客さんも多く、
その約9割が女性。海外から訪れる人も全体の2割ほどいるそう。

期間限定メニューを次々と打ち出すのではなく、
ラインナップはできるだけ固定。
あくまで目指しているのは、日本茶そのものをもっと広めること。

そして、洋服屋として始まった蒼氓らしさも健在。

現在も店内には、姫路でつくられるレザーブランド「所作(@nonoyes_shosa」の財布が並ぶ。
茶道で使われる帛紗をモチーフに、
一枚の革を折り紙のように折り重ね、糸を使わずに仕立てるもの。
(なかには、本物の抹茶で染められたものまであったよ!)

時代が変わっても、日本らしさを発信するというスタンスは
ずっと変わっていないのがこのお店。
カウンターもあるから1人でふらっと行くのもいいし、2人で静かに過ごしたい時にもおすすめ。

Profile

蒼氓茶寮

電話 / 011-206-6598
住所 / 札幌市中央区南2条西1丁目5−9 広和ビル No.13 2F
営業時間 / 11時〜25時(最終入店23時)
定休日 / なし

Photo by Miku Katsuno
Text by Hikari Kubota
Design by Keisuke Mimura

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