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2026.09.22
この車と暮らす理由 | Vol.9
澤田さん
How long have we been living in this town? We’ve found more favorite spots, and more friends we see all the time. But sometimes, having too many “usuals” can make our world feel smaller. Let’s try a place we’ve never been. Let’s talk to someone we’ve never met. Not somewhere far away just one step beyond the streets we know. About 150 years ago, people came here and started a treasure hunt. Let’s begin the next chapter together.
わざわざフェリーで北海道へ帰省した、
東京在住の澤田さんとその相棒🚙
LAND ROVER DEFENDER(2013年式)
唯一無二の四角いボディ。
大きく響くエンジン音。
一つひとつギアをつなぐマニュアルの心地。
ランドローバー・クラシックディフェンダーは、
1948年に「シリーズⅠ」が誕生して以来、
荒野や山道を走り続けてきた”働く車”だ。
どんな場所も走り導いてくれる強さ、
何十年経っても変わらない無骨なデザインは、
世界中のファンを魅了してきた。
2016年に生産を終えた今も人気は衰えないし、
「いつかディフェンダーに乗りたい。」
そう憧れ続ける人は少なくない。
その一人だったのが、
今回取材した映像ディレクター・澤田さんだ。
大学生の頃、映画や雑誌で出会って以来、
ずっと忘れられなかったクラシックディフェンダー。
社会人になって最初に購入した
〈JEEP〉のラングラーも気に入っていたけれど、
それでも憧れのディフェンダーへの想いが
消えることはなかったという。
想いを受け継ぐ 出会い
ランドローバー専門店を訪れて、
一度は憧れのディフェンダーを目の前にしながらも、
巡り合わせで手に入れることはできなかった。
「やっぱり縁がないのかな。」
そう思っていた頃、一本の連絡が入る。
「理想に近い一台がやってきましたよ。」
すぐに店へ向かうと、そこで待っていたのは
ディフェンダーだけではなかった。
前オーナーも立ち会ってくれて、
「若い人で、この車に乗りたいっていう子も少ないから。」
と価格面まで背中を押してくれたうえに、
「困ったことがあったら、いつでも連絡して」
と連絡先まで交換してくれた。
もはや、車を譲り受けたというより、
想いごと受け継いだような出来事だった。
現在は広告やCM、ドキュメンタリー映像制作を中心に活動する澤田さん。
アイデアを考え続ける仕事だからこそ、
頭を空っぽにする時間が必要になる。
そんな時は、愛車のディフェンダーを走らせる。
クラッチを踏み、ギアを変え、
車の振動や音を感じながら、
最新の車のような便利さはない。
むしろ運転は忙しい。
だけど、その忙しさが心地いい。
運転だけに集中する時間が、
頭と気持ちをリセットしてくれるという。
ディフェンダーと暮らし始めて、およそ半年ほど。
「2、3日乗らないだけでも寂しくなるんですよ」
そう言って笑う澤田さんの姿からも、
すでになくてはならない存在になっていることが伝わってきた。
好きなことを追い続ける
北海道で生まれ育ち、就職で東京に上京。
営業職として働きながら見つけた、
自分の「好き」を信じて映像の世界へ飛び込んだ。
会社を辞め、独学で今の仕事を築き上げたという。
「自分に嘘をつけない性格なんです」と
澤田さんは話してくれた。
見栄で車を選ぶこともできた。
もっと新しい車を選ぶこともできた。
それでも、自分がこの先ずっと一緒にいたいと思える
一台はディフェンダーだった。
流行や新しさではなく、変わらない本質に惹かれる。
その価値観は、今の映像をつくる仕事にも、
車選びにも自然と表れていた。
この夏、相棒のディフェンダーと
初めてフェリーに乗り北海道へ帰ってきた。
東京では高層ビルが並ぶ街を走る相棒も、
北海道ではどこまでも続く緑や広い道がよく似合う。
「同じ車なのに、景色が変わるだけでまるで違って見えるんですよね」
そう話す表情からも、今回の帰省が
特別な時間だったことが伝わってくる。
この車と暮らす理由
澤田さんは、自分の人生を振り返って
「運はすごくいい方だ」と笑う。
その運を引き寄せてきた理由を尋ねると、
少し考えてこう続けた。
「ぼく、諦めが悪いんですよ。」
映像の仕事も、ディフェンダーとの出会いも、
簡単に手に入ったわけではない。
好きなことを諦めず、
自分に嘘をつかず、選び続けてきた。
だから今、この相棒が隣にいる。
新しいものが次々と生まれる時代だからこそ、
変わらないものを選ぶことは、
案外贅沢なのかもしれない。
澤田さんにとってディフェンダーは
憧れの車というだけではなく、
これからも自分らしく生きていくための
”本質”を思い出させてくれる存在なのだ。
Profile
Photo by Wakana Akasaka
Text by Ai Tsushima
Design by Yuichiro Ishizuka
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ABOUT US
LANDについて
いつものマチの、
一歩先。
この街にどれほど暮らしているだろう。
お気に入りのお店も増えて
よく会う仲間も増えてきた。
だけど、「いつもの」が増えるって
自分を狭める。
知らない店に行こう、
話したことのない人に会いに行こう。
はるか遠くの場所ではなくて、
いつものマチの一歩先。
およそ150年前に
この地を拓いた人々から始まった宝探し。
その続きを一緒に始めよう。
CREATORS
撮影・制作 協力クリエイター
-
赤坂若菜
wa___ka.pp
LAND編集長
PATTERN PLANNING(株)CEO|ブランディングディレクター|旅、ラーメン、焼肉、お酒、器ラバー。 -
倉内法生
noriok
LAND編集部
株式会社NEW CEO|クリエイティブディレクター|色々な土地を歩き、体を動かし、モノに触れながら、ユーモアを考える。 -
窪田ひかり
LAND編集部
ディレクター兼コピーライター|LANDの企画・制作・原稿制作を担当。取材を通してこのマチの人と出会うことが大好き。 -
勝野美玖
rmpw110
LAND編集部
ディレクター|食べることと愛犬が原動力。LANDでは撮影も担当。 -
荒巻美千子
hina_ta_bo_kko
LAND編集部
ディレクター兼コピーライター|LANDでは写真撮影も担当。愛機は「Sigma fp」 -
藤崎由理
yurif333
LAND編集部
ディレクター|瓶詰めされた醬と、道内各地の銘菓食べ歩きが大好きです。 -
堀口暁音
akane.ysd
LAND編集部
ディレクター|LANDの企画・運営を担当。編集、音楽、サッポロクラシック。 -
對馬杏衣
ai_tsushima
LAND編集部
ディレクター|LANDの企画・運営を担当。おいしいものと絶景を求め、世界40カ国以上を旅するトラベラー。 -
三村啓介
jack_mim
LAND編集部
アートディレクター|札幌生まれ、B型。アートディレクションとデザインを担当。音楽好き。 -
石塚 雄一郎
plg722
LAND編集部
グラフィックデザイナー|イラストが得意。お酒とカレーと狸小路が大好き。好きな色は緑。 -
佐藤翔吾
ss.shogo
LAND編集部
グラフィックデザイナー|ランニングしながら街や気になる場所を観察するのが日課です。 -
八木橋ひかり
hikari____8
LAND編集部
グラフィックデザイナー|休日はエッセイや短歌をまとめたZINEを制作しています。猫が好き。 -
sokoniaru (SHIDEN)
sokoniaru
映像クリエイター
映像が好き!これまで札幌のアーティストのMV制作やライブ映像なども手がける。 -
Riku Goda /
合田 りくriku____g0806
写真・映像クリエイター
北海道で暮らす人々と文化、その日常を写真と映像で記録する。ウェディングやライブなど撮影するジャンルは多彩。 -
Hiroto Miyazaki
hirotomiyazaki.jp
Cinematographer
拠点をニセコに置きながら東京にも活動の幅を広げ活動中。リアルで儚い空気を映像に残す。好物は羊羹。 -
村木渓太
keitamuraki.jp
映像作家 | 写真家
2023年に拠点を東京から札幌に移し、街と人の営みをドキュメントする。プロダクトPRムービーやイベント映像も撮影。 -
對馬友理
yuri_24ma
ヘアメイク | 制作・企画コーディネートetc
広告のヘアメイクの他、制作・企画コーディネートやキャスティングなど多方面で活動中。