NEW ANGLE

NEW PLAYFUL

2026.07.14

この車と暮らす理由 | Vol.8
木村さん

How long have we been living in this town? We’ve found more favorite spots, and more friends we see all the time. But sometimes, having too many “usuals” can make our world feel smaller. Let’s try a place we’ve never been. Let’s talk to someone we’ve never met. Not somewhere far away just one step beyond the streets we know. About 150 years ago, people came here and started a treasure hunt. Let’s begin the next chapter together.

日産 テラノ V6-3000 R3M

1986年にデビューした日産テラノ。
ピックアップトラックをベースにしながらも
都会的なスタイリングと悪路走破性を両立した、
現代のSUVの先駆けとも言える存在!

車名の「テラノ」はラテン語で
「大地」や「地球」を意味するTerraに由来する。

武骨な4WD車とは一線を画したその佇まいは、
40年近く経った今も道行く人の目を惹きつける。

取材をしたこの車のオーナー木村さんに聞けば、
50代60代の人が「懐かしい」と声をかけてくれたり、
若い子が「この車なんですか」と話しかけてくれることもあるそう。

時代をまたいで、愛される車だ。

一目惚れ、という選び方

木村さんはもともと、車に興味がなかったらしい。

今の車が人生で3台目だそうで、
これまでは燃費を重視して選んできた。

でも、ある日
Instagramでフォローしていた写真家の方が
自身のテラノを手放すと載せている投稿を目にした。
もともと見ていてかっこいいなと思っていた車だったこともあり、
思い切って初めてDMを送ったそう。

「顔がかわいくて、
正面の四角いシルエットが
昔祖父が乗っていたトラックに似ているんです。
気づいたら一目惚れしていましたね」

見た目で車を選んだのは、これが初めて。
後悔したことは一度もないという。

想いを、乗り継ぐということ

コロナ禍ということもあり、
実際に車を自分の目で見てから購入、とはいかなかったそう。
それでも、前のオーナーさんが
とても親切にたくさんの写真や動画を送ってくれたそう。
(なんだかそこにも車への愛を感じる)

前のオーナーさんは東京に住んでいる人のようだが、
仕事で北海道に来て車に乗っている時の方が
人に話しかけられることが多かったそう。

そんな経験もあって、
北海道に暮らす木村さんへ
この車を渡すことを喜んでくれた。

テラノが北海道に届いた日、
助手席には前のオーナーさんが最後に撮った写真と
手書きのメッセージが置かれていた。

前のオーナーさんとは、今もたまに連絡を取っているそう。
「ついにガタがきましたか」なんて
まるで我が子を想う親のような連絡。

木村さんは今、車だけじゃなくて、
前のオーナーの想いも一緒に乗り継いでいる。

そのままがいい

譲り受けてから5年半、一切手を加えていないそう。

「良くする自信がない、というか
今のままが好きなんです。
そのまま乗り継いでいきたいです」

最初は「時代を感じるな」と思っていたシートも、
今では愛おしくてたまらないそう。

小さな灰皿、縦についた後部ドアの取っ手。
細かなディテールひとつひとつが、この車の歴史だ。

故障することもしばしばだが、
直すたびに、「まだ乗れるな」と思う。
動かなくなるまで、この車と生きていきたいと
木村さんは迷いなく話してくれた。

この車と暮らす理由

「他に乗りたい車が見つからない」
木村さんの答えは、シンプルだった。

実家の魚屋を手伝いに寿都へ走ったり、
東北の山まで連れ出したり。
山も海も、どこへ行っても似合う車だ。

もともと景色の写真を撮るのが好きだったのに、
この車に乗るようになってから
車の写真も撮るようになったそう。

少し照れながら、
「駐車場に戻るたびに自分の車を見て、
かっこいいと思って写真を撮ってしまうこともあるんです」
なんてエピソードも話してくれた。

手を加えずとも、そのままの車の魅力を愛している木村さんを見て
愛車との生き方に、正解なんてないと感じた。
人の数だけあるそのスタイルが、どれも最高にカッコいい。

 

Profile

木村さん

ランドオペレーターとして訪日旅行の手配に携わる傍ら、
実家の魚屋を手伝う。
趣味は旅とランニング。

Photo by Miku Katsuno
Text by Hikari Kubota
Design by Yuichiro Ishizuka

RECOMMEND

おすすめの記事

ABOUT US

LANDについて

いつものマチの、
一歩先。

この街にどれほど暮らしているだろう。
お気に入りのお店も増えて
よく会う仲間も増えてきた。

だけど、「いつもの」が増えるって
自分を狭める。

知らない店に行こう、
話したことのない人に会いに行こう。

はるか遠くの場所ではなくて、
いつものマチの一歩先。
およそ150年前に
この地を拓いた人々から始まった宝探し。
その続きを一緒に始めよう。

企画・運営

PATTERN

クリエイティブ

NEW

CREATORS

撮影・制作 協力クリエイター

  • 赤坂若菜

    wa___ka.pp

    LAND編集長
    PATTERN PLANNING(株)CEO|ブランディングディレクター|旅、ラーメン、焼肉、お酒、器ラバー。

  • 倉内法生

    noriok

    LAND編集部
    株式会社NEW CEO|クリエイティブディレクター|色々な土地を歩き、体を動かし、モノに触れながら、ユーモアを考える。

  • 窪田ひかり

    LAND編集部
    ディレクター兼コピーライター|LANDの企画・制作・原稿制作を担当。取材を通してこのマチの人と出会うことが大好き。

  • 勝野美玖

    rmpw110

    LAND編集部
    ディレクター|食べることと愛犬が原動力。LANDでは撮影も担当。

  • 荒巻美千子

    hina_ta_bo_kko

    LAND編集部
    ディレクター兼コピーライター|LANDでは写真撮影も担当。愛機は「Sigma fp」

  • 藤崎由理

    yurif333

    LAND編集部
    ディレクター|瓶詰めされた醬と、道内各地の銘菓食べ歩きが大好きです。

  • 堀口暁音

    akane.ysd

    LAND編集部
    ディレクター|LANDの企画・運営を担当。編集、音楽、サッポロクラシック。

  • 對馬杏衣

    ai_tsushima

    LAND編集部
    ディレクター|LANDの企画・運営を担当。おいしいものと絶景を求め、世界40カ国以上を旅するトラベラー。

  • 三村啓介

    jack_mim

    LAND編集部
    アートディレクター|札幌生まれ、B型。アートディレクションとデザインを担当。音楽好き。

  • 石塚 雄一郎

    plg722

    LAND編集部
    グラフィックデザイナー|イラストが得意。お酒とカレーと狸小路が大好き。好きな色は緑。

  • 佐藤翔吾

    ss.shogo

    LAND編集部
    グラフィックデザイナー|ランニングしながら街や気になる場所を観察するのが日課です。

  • 八木橋ひかり

    hikari____8

    LAND編集部
    グラフィックデザイナー|休日はエッセイや短歌をまとめたZINEを制作しています。猫が好き。

  • sokoniaru (SHIDEN)

    sokoniaru

    映像クリエイター
    映像が好き!これまで札幌のアーティストのMV制作やライブ映像なども手がける。

  • Riku Goda /
    合田 りく

    riku____g0806

    写真・映像クリエイター
    北海道で暮らす人々と文化、その日常を写真と映像で記録する。ウェディングやライブなど撮影するジャンルは多彩。

  • Hiroto Miyazaki

    hirotomiyazaki.jp

    Cinematographer
    拠点をニセコに置きながら東京にも活動の幅を広げ活動中。リアルで儚い空気を映像に残す。好物は羊羹。

  • 村木渓太

    keitamuraki.jp

    映像作家 | 写真家
    2023年に拠点を東京から札幌に移し、街と人の営みをドキュメントする。プロダクトPRムービーやイベント映像も撮影。

  • 對馬友理

    yuri_24ma

    ヘアメイク | 制作・企画コーディネートetc
    広告のヘアメイクの他、制作・企画コーディネートやキャスティングなど多方面で活動中。