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Sapporo New Culture | Vol.1
酒正 土井商店

How long have we been living in this town? We’ve found more favorite spots, and more friends we see all the time. But sometimes, having too many “usuals” can make our world feel smaller. Let’s try a place we’ve never been. Let’s talk to someone we’ve never met. Not somewhere far away just one step beyond the streets we know. About 150 years ago, people came here and started a treasure hunt. Let’s begin the next chapter together.

最近、マチを歩いていると
酒屋さんの一角で立ち呑みできる場所が増えたなと思う。

札幌の繁華街すすきのの商業施設、
「ココノススキノ」の地下にも根本酒店というお店があるし
豊平区にも「キタヤマヤ」というお店がある。

酒屋の一角でお酒を楽しむ文化、通称「角打ち(かくうち)」。
江戸時代にはすでにあったと言われていて、
枡の“角”から飲んだことが名前の由来、なんて説もある。

サクッと1杯。
これが許される文化だからこそ
お酒が弱い人でも嗜む程度に楽しめるのも魅力だ。

中でも札幌駅の北側に昨年オープンした酒屋さんが、
日本酒、クラフトビールにノンアルコールなど
多彩なラインナップを誇っているらしいと聞いて、
今回はここに取材に行ってみた。

お店の名前は「酒正 土井商店」

お酒を“選ぶ時間”ごと楽しむ

このお店は、旭川に本店を構える地酒専門店。
2025年に札幌へ第2号店として誕生したのがここだ。

店内に並ぶのは、日本酒や焼酎、ワインに加えて、
果実のリキュールやクラフトビールまで。
その数なんと、300種類以上。

「日本一お客様に近い酒屋」を掲げるこのお店では、
難しい専門用語は使わない。
味の好みや、どんなときに飲みたいかを聞きながら、
その人に合う一本を一緒に選んでくれる。

だから、お酒に詳しくなくても大丈夫。
むしろ「これからお酒を知りたい人」にこそ、ちょうどいい。

日差しが差し込む角打ちスペースを前に
ずらりと文字が描かれた黒板がある。
よく見ると、角打ちで楽しめる「本日のお酒」がびっしりと書かれていて、
毎日内容は変わるらしい。

「どのお酒がいいかな」「ノンアルコールもあるんだ!」
飲み始める前からすでにお酒を選ぶこの時間が楽しいね。

お酒に合うおつまみも豊富

このお店のブランドマネージャーを担当しているおかざきさんに話を聞くと、
どうやらここは「おつまみ」にもこだわっているらしい。

旭川のブランド卵を使ったダシの染みた半熟卵「うまたま」や、
「ミニカマンベールチーズブリュレ〜生胡椒の塩漬け〜」など
気の利いたつまみの数々が、1杯をさらに至極のものに高めてくれる。

驚いたのは味はもちろん、その見た目。
まるでコースの前菜のようにきれいに彩られた料理の数々は、
思わず「酒屋」にいることを忘れさせる。

「実はお店で出しているおつまみのほとんどが、
店内で買える商品なんです。
それらをアレンジして提供することで、
お客様がお家で飲む時間でも再現できるように工夫しています」

おいしい!と思った組み合わせを買って
ギフトにするのもいいかもしれない。

初めてのお酒こそ、良いものを

実はこのお店、道路を渡って目の前には北海道大学のキャンパスがある。
どうしてすすきのなどではなく、
あえて学生のマチにお店があるのだろう?

「20歳になったとき、
最初からちゃんと美味しいものに触れてほしいという想いがあり、この立地を選びました。
若いうちに安さだけで選んだお酒で、
“お酒=悪酔いするもの”というイメージを持ってしまうのは、
もったいないと思うんです。」

その想いはお店作りにも反映されていて、
学生証を提示すれば角打ちはすべて10%オフなんだって。

角打ち=サラリーマンの文化と思っていたけれど、
学生や若い女性が一人でふらっと立ち寄る場所になっている。

人が溢れかえるような一時の流行ではなく、
たしかにこのマチでじわじわと広がる角打ちカルチャー。

せっかく飲むなら、おいしいものを少しずつ。
そんな気分の日に、酒屋の角に立って喉に贅沢を。

角打ちは、
札幌民のNew Cultureになる予感。

Profile

酒正 土井商店 札幌店

住所 / 札幌市北区北12条西4丁目1-14 テラス北大前1階
営業時間 / 11:00〜20:00(角打ちは12:00〜LO19:30)
定休日 / (月)(火)

Photo by Michiko Aramaki
Text bu Hikari Kubota
Design by Yuichiro Ishizuka

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いつものマチの、
一歩先。

この街にどれほど暮らしているだろう。
お気に入りのお店も増えて
よく会う仲間も増えてきた。

だけど、「いつもの」が増えるって
自分を狭める。

知らない店に行こう、
話したことのない人に会いに行こう。

はるか遠くの場所ではなくて、
いつものマチの一歩先。
およそ150年前に
この地を拓いた人々から始まった宝探し。
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    映像作家 | 写真家
    2023年に拠点を東京から札幌に移し、街と人の営みをドキュメントする。プロダクトPRムービーやイベント映像も撮影。

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    広告のヘアメイクの他、制作・企画コーディネートやキャスティングなど多方面で活動中。