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狸の一歩 | 札幌市中央区 | Vol.1
幸乃園 安中茶舗

How long have we been living in this town? We’ve found more favorite spots, and more friends we see all the time. But sometimes, having too many “usuals” can make our world feel smaller. Let’s try a place we’ve never been. Let’s talk to someone we’ve never met. Not somewhere far away just one step beyond the streets we know. About 150 years ago, people came here and started a treasure hunt. Let’s begin the next chapter together.

このマチで暮らしている人なら
誰もが一度は通ったことがあるであろう老舗の商店街
「札幌狸小路商店街」

全長900mの長さの1本の道に
新旧様々なショップが立ち並んでいる。

北海道最古の商店街と言われるほどの歴史を誇る
この商店街で、
これまで前を通っただけのお店もきっとあるはず。

お店に入るまでのあと一歩を後押ししたい。
そんな気持ちから、始まったこの企画。
通り過ぎるだけじゃもったいない、
ディープな世界をご案内。

7丁目を代表する
老舗お茶屋さんを知ってる?

商店街の西側、7丁目には
大きな古着屋さんや串焼き居酒屋などが軒を連ねるが
中でも古くからある
お茶屋さんがあるのを知ってるかな?

マチに溶け込み、
目の前を素通りしていた人もきっといるはず。

このお店の名前は
「幸乃園 安中茶舗」。

まもなく創業100年を迎える老舗だ。

入っていいのかな?とためらっていたけれど、
ある日勇気を出してお店に入って
メニュー表の一番上の「ほうじ茶」を購入。

家に帰って祖母と一緒に飲んでみたら、
信じられないほど香り豊かで、味わいも持続する。

専門店のお茶ってこんなに違うんだ!
と衝撃を受けて、取材しようと思ったよ。

毎日焙煎する深煎りのお茶

取材のお願いでお店に行くと、
「13時にお店に来るとちょうど焙煎の時間だよ」
と教えてくれた。

改めて別日の13時、お店にお邪魔すると
50年近く稼働しているという焙煎機が温まっていた。

市内の飲食店から注文が入ることも多いそうで、
毎日焙煎をして新鮮なお茶を届けているそう。

煙がもくもくと立ちのぼり、
緑色だった茶葉が10分ほどでこげ茶色に変化する。
(この煙で店内の木箱も黒くなって年季が入っている)

「焙煎機の火が強いのが特徴です。
なので機械の特性を生かして
あえて深煎りにしているんです」

なるほど、だから香りも豊かで
2煎目、3煎目もしっかり味が続くんだね。

マチを見守る老舗の想い

新しいお店が周りにでき始めることに
老舗の店主はどう感じているのだろう?
そんなことが気になって尋ねてみると
意外な答えが返ってきた。

「新しいお店がどんどん増えてくるのは嬉しいことです。
商店街が活気づくのが何より嬉しいんです」

最近では、近くの美容室で
この店のお茶を扱うようになり、
若いお客さんも少しずつ増えているそう。

商店街を愛し、地域を愛する老舗だからこそ
老若男女に愛される存在なんだなと思う。

老舗だからお高いかと思いきや、
ほうじ茶は50g350円から購入可能で、
手軽な価格から買えるのもなかなか知られていない。

これからは、店前にイスを出して
お饅頭とお茶を一緒に楽しめるようにしていきたいそう。

この時代、急須が家にない人も多いかもしれないけれど
少しでもお茶の魅力を伝えたい。

そんな想いが、100年の歴史があっても
新たなことに挑戦し続ける背景にあるのかもしれない。

キミも「老舗だから」と敬遠せずに
一歩足を踏み入れてみて。
きっとお茶の魅力のトリコになるはず。

Profile

幸乃園 安中茶舗

住所 / 北海道札幌市中央区南3条西7丁目
電話 / 011-231-1921

Photo by Miku Katsuno
Text by Hikari Kubota
Design by Keisuke Mimura

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いつものマチの、
一歩先。

この街にどれほど暮らしているだろう。
お気に入りのお店も増えて
よく会う仲間も増えてきた。

だけど、「いつもの」が増えるって
自分を狭める。

知らない店に行こう、
話したことのない人に会いに行こう。

はるか遠くの場所ではなくて、
いつものマチの一歩先。
およそ150年前に
この地を拓いた人々から始まった宝探し。
その続きを一緒に始めよう。

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    北海道で暮らす人々と文化、その日常を写真と映像で記録する。ウェディングやライブなど撮影するジャンルは多彩。

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    拠点をニセコに置きながら東京にも活動の幅を広げ活動中。リアルで儚い空気を映像に残す。好物は羊羹。

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    映像作家 | 写真家
    2023年に拠点を東京から札幌に移し、街と人の営みをドキュメントする。プロダクトPRムービーやイベント映像も撮影。

  • 對馬友理

    yuri_24ma

    ヘアメイク | 制作・企画コーディネートetc
    広告のヘアメイクの他、制作・企画コーディネートやキャスティングなど多方面で活動中。